初めて動画を編集した夜、三時間かけてできたのは十秒だった

遊び

始めたきっかけは、旅行の記録をちゃんと残したいという、ただそれだけの気持ちでした。スマホで撮った映像がカメラロールに溜まっていくばかりで、見返すこともほとんどない。どうせなら短くまとめて、見られる形にしたいと思ったんです。

ソフトをインストールして、チュートリアル動画をひとつ見て、さあやってみようと素材を読み込んだところまでは順調でした。問題はその先です。タイムラインに映像を並べて、いらない部分をカットして、音楽をつけて、テロップを入れて。言葉にすれば簡単そうなのに、操作のひとつひとつでつまずきました。カットしたつもりが元に戻っていたり、音楽の音量調整をしようとしたら映像ごと消えたり。気づいたら三時間たっていて、できあがったのは冒頭の十秒だけ。さすがに笑えました。

それでも、不思議と嫌にはなりませんでした。試行錯誤しながら少しずつ操作を覚えていく感覚が、パズルを解いているみたいで面白かったんです。二週間ほどかけて最初の一本を完成させたとき、三分にも満たない映像なのに、妙な達成感がありました。

回数を重ねるうちに、編集には性格が出ると気づきました。テンポよくカットを重ねるのが好きな人、情景をじっくり見せることを大切にする人、テロップで笑いを取ろうとする人。私は気づいたら、音楽に映像を合わせることに異様にこだわるようになっていました。

今は月に一本くらいのペースで作っています。うまくなっているかどうかは正直わかりません。ただ、旅の映像を見返すとき、撮ったときの気持ちがちゃんと戻ってくるようになりました。それだけで、続ける理由になっています。

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