海辺のスケッチ

失業した春、海辺でスケッチを始めた。地元の海岸は、子どもの頃、家族で貝拾いをした場所。波の音が心を落ち着け、ノートに海や雲を鉛筆で描いた。ある日、浜辺で絵を描くおばあさんに会った。彼女は「海は心の鏡」と言い、私のスケッチを褒めてくれた。

彼女に色鉛筆を借り、初めてカラーで海を描いた。青とオレンジの混ざる夕焼けが、ノートに生き生きと映った。おばあさんの「絵は自分を信じる第一歩」との言葉が、就職活動の励みに。面接で「趣味はスケッチ」と話すと、面接官が「いいね」と笑った。数ヶ月後、デザイン事務所に採用された。

今、仕事の合間に海でスケッチする。おばあさんは、ビーチで絵画教室を開き、私も時々参加。海辺のスケッチは、私に自分を表現する勇気をくれた。いつか、おばあさんと一緒に絵画展を開きたい。

タイトルとURLをコピーしました